ハイリスク年子mama

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風疹の恐ろしさ

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2018年10月現在、風疹患者累積報告数は1,486人となり、2008年の全数届出開始以降では、2018年は2013年、2012年に次いで3番目に多く、2017年1年間の16倍となっています。
2018年10月現在までに、先天性風疹症候群の報告はありませんが、過去には2012年に2,386人、
2013年に14,344人の患者が報告され、この流行に関連した先天性風疹症候群が45人確認されました。

地域別には東京都509人、千葉県251人、神奈川県195人、と報告が100人超と多く、埼玉県、愛知県でも50人 を超えて、それぞれ 96人、84人となっています。
また、大阪府14 人、福岡県11人、茨城県群馬県3人、福島県富山県静岡県兵庫県岡山県より2人、複数報告 されています。
首都圏での風疹報告数増加が継続する一方で、首都圏以外の地域からも報告が認められ、報告がない県は青森県高知県佐賀県大分県、鹿児島県のみとなっています。

では、風疹がなぜ問題視されているのか、ここでは詳しく説明していきたいと思います。

目次

・風疹とは
・風疹の症状
・先天性風疹症候群(CRS)
・予防接種の必要性

風疹とは

風疹は、感染力をもった急性ウイルス性感染症です。一般的に風疹ウイルスへの感染は、子どもや大人に軽い発熱や発疹を引き起こすだけですが、妊娠中、特に妊娠初期での感染では、流産や胎児の死亡、死産、新生児の先天性障害などが引き起こされます。これは、先天性風疹症候群(CRS)として知られています。
風疹は、感染者がくしゃみや咳をしたときに出す飛沫によって感染します。宿主は人間だけです

風疹の症状

風疹ウイルスが飛沫によって経気道的に感染後、上気道粘膜、所属リンパ節で増殖し、ウイルス血症を起こします。
感染後、約2週間で発症します。発熱、発疹、リンパ節腫脹などの症状がほぼ同時に出現します。発疹は粟粒大の丘疹で、全身に出ますが、数日で色素沈着を残さず消失します。眼の結膜充血が特徴的です。多くの例で、口腔内にForchheimer spots(フォルヒハイマー斑)という点状紅斑・紫斑が見られます。治療は対症療法です。
 妊娠20週までの抗体を持たない妊婦さんが感染すると先天性風疹症候群(CRS)の発症の危険性が高いので、妊娠を希望する場合は、抗体の有無をチェックし、予防接種を受けて、かからないようにすべきです。なお、予防接種後2カ月間は避妊が必要です。  

先天性風疹症候群(CRS)

風しんウイルスの胎内感染によって先天異常を起こす感染症です。
先天異常の発生は妊娠週齢と明らかに相関し、妊娠12週までの妊娠初期の初感染に最も多くみられ、20週を過ぎるとほとんどなくなります。
 三徴は、白内障、先天性心疾患、難聴です。その他先天性緑内障、色素性網膜症、紫斑、脾腫、小頭症、精神発達遅滞、髄膜脳炎、骨のX線透過性所見、生後24時間以内に黄疸が現れる事があります。  

予防接種の必要性

風しんの予防接種は、1976年から始まりましたが、最初は女子中学生のみが対象でした。男女とも1歳すぎに接種するようになったのは1995年からです(一部、1989から1993年の間にMMR(麻しん・風しん・おたふくかぜ)混合ワクチンとして風しんの予防接種を受けている人もいます)。
その後、接種を受けていない空白の世代を対象に経過措置がとられましたが、接種率は高くありませんでした。そのため、20代以上の人(特に男性)は免疫をもたない人が多くなっています。
また、充分な免疫をつけるためには、2回の接種が有効とされていますが、幼少期に1回しか接種していない人も多くいます。 風しん患者を性別・年齢別に見ると、20代から40代の男性が多く発症しています。
これは、予防接種を受けていない、または1回しか接種していない世代と一致しています。また、この世代は、これから父親になる人も多く、妊娠中の女性に感染する可能性があるのです。
2012年の風しん患者の約5割は30から40代の男性です。風しんの予防接種を受けていない、または1回しか接種していない世代で風しんが流行しています。特にパートナーが妊娠をする可能性のある方、結婚を考えている方、お孫さんが生まれる可能性のある方などは、妊娠中の女性を風しんから守るため、かかりつけ医に相談されることをお勧めします。